当サイトで扱う熱力学の全体は以下の通りです。
熱力学全般
かなり短いですね。それぞれを簡単に説明していきます。
1.熱と温度・ボイルシャルル・理想気体の状態方程式
熱と温度では主に用語を学びます。
「昇華熱」や「飽和」など、物理というより化学に出てくる内容です。
私大入試などにこれらの用語が直接問われることはやや少なめです。
ボイルシャルルの法則と理想気体の状態方程式はこの分野で非常に重要です。しかし覚えやすいのでご安心ください。
高校物理ではめんどくさい相互作用などを無視した「理想的な気体」について学びます。
式を覚えることよりもその方程式をどのように使うかが問題ですので問題演習が必須です。
2.気体の分子運動論
入試で見かけることがありますが問題の流れが決まっているので、出題されたらぜひとも点を取りたい分野です。
内容としては箱の中に閉じ込めた分子の運動に着目して、圧力や速度、そして熱力学で重要なボルツマン定数を導きます。
力学の運動量・力積の考え方を使うので、苦手な人はぜひ復習してから取り組んでください。
3.内部エネルギー・比熱
力学分野でもエネルギーに着目して問題に取り組んだと思います。この熱力学の分野でも同様にエネルギーに注目してみよう!というのがこの章のテーマです。
ここでは主語が何になっているかを特に気を付けてください。「物体の外から仕事をされた」のか「物体が仕事をする」なのかを区別しなければ混乱してしまうでしょう。
そして、ひとつひとつ公式を覚えようとするのは危険です。まとめれば覚える公式が少なくなり、とても楽になります。
4.熱機関・カルノーサイクル
熱機関とは外部から熱をもらって仕事をする機関のことを言います。
問題のパターンはそこまで多くないのですがカルノーサイクルの問題は共通テスト(センター試験)でよく見かけます。
重要性は?
熱力学は受験の中では影が薄い分野…? です。
物理学の中ではもちろん重要な分野ですが、力学と電磁気学に力を入れる人が多いため熱力学をおろそかにしてしまう人は多いです。
それに、最近は原子分野に力を入れて問題を出してくる大学が増えているのでその分熱力学の登場回数が減っています。
しかし、他の分野と絡めて融合問題を出してくるので勉強しない訳にはいけません。
なお、当サイトでは存在感を示したいので「熱力学」と「力学」は別のページに分けています。
量は?
量は比較的少ないです。
学校の授業では1か月もあれば終えられるのではないでしょうか?
そもそもの内容量が少ないので出てくる公式の量も少ないです。
難易度は?
最初は難しい?
そもそもの量が少なく、公式なども少ないので難しい問題はあまりないです。
力学の「物体の運動」は目に見える内容が多かったのでイメージがしやすかったのですが、熱は目に見えない概念で、最初は何をやっているのかわかりにくいと思います。
しかし、問題のパターンはある程度決まっているので一通りに取り組んでしまえば大丈夫です。
ちなみに力学や電磁気学との融合問題で難易度が上がることがあります。
他分野との関連性は?
最初に出てくるボイルシャルルの法則は化学にも出てきます。
また、○○熱というワードも同様に化学に出てきますので、物化受験者には少しだけ負担が減る分野です。
融合問題?
さきほどチラっと書きましたが力学や電磁気のコンデンサーとの融合問題が出てくることがあります。
そのような問題を解くのに特別な知識は必要ありません。しっかりと基礎を勉強していれば融合問題に取り組むことができます。
ただし、熱力学は重要じゃないからあまり勉強しなくていいや!と考えていると融合問題で痛い目に合うでしょう…。
まとめ
今回は「熱力学」の全体像について簡単に説明しました。
影が薄く、熱は目に見えない概念ですので敬遠されがちですがしっかり取り組んでください!
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