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高校熱力学

2-4熱効率・カルノーサイクル

投稿日:2020年3月22日 更新日:

 

前回はこちら!2-3気体の内部エネルギー・比熱

 

熱効率とカルノーサイクルについて学びます。

高校物理では大体似たようなパターンが多いです。そしてカルノーサイクルは入試によく出ます。是非マスターしましょう!

 

 

用語集

 

用語 説明
熱機関 熱を仕事に変える装置のこと
熱効率 高温の熱源から得られた熱と、外部へした仕事の割合 \(e=W/Q\)
不可逆変化 自然にはもとにもどらないような変化のこと。例えばコーヒーにミルクを入れた後かき混ぜれば、コーヒーとミルクを分けることができない。
熱力学の第二法則 「1つの熱源から熱を得て、それをすべて仕事に変えることのできる機関は存在しない。」というもの
永久機関 外部からエネルギーをもらわずに仕事をし続ける機関を第1種永久機関、熱効率が e=1 の機関を第2種永久機関といいます

 

熱効率では大事な用語が出てきますが入試にはあまり出てきませんね…

 

 

熱効率

 

高温の熱源から得られた \(Q\) [J]、低音の熱源をうつった熱量を \(Q’\) としますと、その差が外部にする仕事 \(W\) になります。

$$e=\frac{W}{Q}=\frac{Q-Q’}{Q}$$

熱効率を e=1 にすることをできません。

 

 

熱力学の第二法則

不可逆変化

自然には元に戻らない変化のことを不可逆変化といいます。

90℃のお湯に0℃の氷を溶かして80℃のお湯を作ることは可能ですが、80℃のお湯から0℃の氷を作ることはできません。

 

熱力学の第2法則

熱力学の第2法則とは

1つの熱源から熱を得て、それをすべて仕事に変えることのできる機関は存在しない。

というものです。

知識として覚えておきましょう!

 

 

カルノーサイクル

 

カルノーサイクルとはフランスの物理学者カルノーさんが考えた熱機関で「等温膨張」→「断熱膨張」→「等温圧縮」→「断熱圧縮」を繰り返します。

 

 

上の図でA->Bのとき等温膨張しています。横軸と縦軸のバランスが悪いのでわかりにくいのですが等温変化の時はボイルシャルルの法則

$$pV/T=\mathrm{const}$$

から圧力 \(p\) が体積 \(V\) に反比例します。

 

そしてB->Cのときは断熱膨張しています。断熱膨張は等温変化に比べ、グラフではわかりにくいですね。グラフでは等温よりも大きく変化します。

 

 

永久機関

 

第1種永久機関とは外部からエネルギーをもらわずに仕事をし続ける機関のことをいいます。

第2種永久機関とは熱効率が e=1 の機関のことをいいます。

そして永久機関は存在しないことが証明されています。

知識として頭に入れましょう!

 

 

まとめ

 

今回は熱効率とカルノーサイクルについて説明しました。

問題のパターンとしてはかなり少ないので慣れれば得点源になります。

 

次はこちら!3-1波の性質

 

熱力学のまとめはこちら!2.高校熱力学全体概要

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