高校物理は今回で最後です。
最後は素粒子について見ていきましょう。
素粒子
クォーク
電子や陽子、中性子などの物質を構成する基本的な粒子を素粒子と呼びます。
物質を構成する最小単位として名付けられましたが、その後の研究によってクォークというものが見つかりました。
クォークとは陽子や中性子を構成する粒子のことです。
クォークの種類を見る前に素粒子の分類の話をします。
陽電子
陽電子とは電子と同じ質量で正の電荷をもつ粒子のことです。
このような素粒子と同じ質量で、電荷が逆の粒子を反粒子といいます。
現在、素粒子にはそれぞれ反粒子が存在することが知られています。
ニュートリノ
β 崩壊の際にエネルギーが保存されるためにはニュートリノと呼ばれる粒子の存在が必要です。
このニュートリノは他の粒子とほとんど反応しません。
素粒子の分類
さて、これらの粒子がどのようにグループ分けされているのでしょうか。
陽子や中性子などには核力のような強い力が働きます。このような強い力が働く粒子をハドロンといいます。
(強い力という言葉はかなり抽象的な言葉ですが、物理学用語です。後ほど説明します。)
ハドロンはさらにバリオンとメソンに分類されます。
陽子や中性子はバリオンに分類されます。
一方強い力が働かない粒子はレプトンと呼ばれます。
例として電子が挙げられます。
クォークの種類
クォークの種類を説明します。
クォークは6種類が確認されています。
電荷が \(\frac{2}{3}e\) のアップ、チャーム、トップ。
電荷が \(-\frac{1}{3}e\) のダウン、ストレンジ、ボトムの6種類です。
クォークと同様にレプトンも6種類あります。
それぞれ
電荷が \(-e\) の電子、μ 粒子、τ 粒子。(タウとよみます。)
電荷が \(0\) の電子ニュートリノ、μ ニュートリノ、τ ニュートリノの6種類です。
自然界の基本的な力
素粒子に働く力は4種類あります。それは
重力、電磁気力、弱い力、強い力
です。
強い力は先ほど説明したように、クォークの間に働く力です。
一方弱い力はレプトンの間に働きます。
これらの力が働くとき、片方の粒子から力を媒介する粒子が放出され、もう一方に吸収されると考えられています。
この力を媒介する粒子はゲージ粒子と呼ばれています。
重力ではグラビトン、電磁気力ではフォトン、弱い力ではウィークボソン、強い力ではグルーオンと呼ばれる素粒子があります。
自然界の4つの力は実は最初(宇宙が誕生した時)1つの力で、次第に4つに分類されたと考えられています。
逆に今はこの4つの力をといういつさせられないかと考えられています。
なお、弱い力と電磁気力をまとめる理論を電弱理論、それらと強い力をまとめる理論を大統一理論と呼びます。
まとめ
今回で高校物理が終了です。
この素粒子分野は入試にほとんど出ませんが、知識として覚えておいてください。
お疲れさまでした。