今回はコンデンサについて説明します。
高校物理に出てくるコンデンサですがその役割は知っていますでしょうか?
物理学…というより工学的な内容ですが簡単に説明していきたいと思います!
コンデンサについて
コンデンサについて
コンデンサの特徴を挙げると以下の3つが重要です。
- 充電と放電が瞬時にできる
- 直流は通さないが交流は通す
- ノイズを除去することができる
コンデンサは電気をためられるバケツみたいなもの。という認識で最初は大丈夫です。
高校電磁気学に出てくるコンデンサの説明
電磁気的な観点から話します。
まずは真空中の電気容量(どのくらい電気を蓄えられるか)は以下の式で表されます。
$$C_0=\epsilon_0 \frac{S}{d}$$
ここで \(S\) はコンデンサの金属板の面積、\(d\) は2枚の金属板の距離、\(\epsilon\) は真空の誘電率です。
式から金属板の面積が大きくなればなるほど電気をたくさん蓄えられますね。逆に2枚の金属板の距離が開けば開くほど電気容量は小さくなることが分かります。
真空の誘電率は値が決まっています。
もし、金属板の間に物質が挟まっているときは次のようになります。
$$C_0=\epsilon_0\epsilon_r \frac{S}{d}$$
新しく出てきた \(\epsilon_r\) は物質の誘電率でして、物質によって決まっています。
(この電気容量の式はガウスの法則から導くことができます。)
コンデンサの電気容量を用いた式としてこちらも紹介しておきます。
$$Q=CV$$
これは電荷 \(Q\)、電位差 \(V\) を用いた式です。
シンプルではありますが受験物理ではよく見かけます。
直列と並列つなぎ
抵抗は直列につなぐと
$$R_{all}=R_1+R_2+ … +R_n$$
で表されました。
しかしコンデンサは違います。コンデンサを直列につなぐと
$$\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2}+ … +\frac{1}{C_n}$$
のようになります。
並列につないだ場合は逆です。
コンデンサの合成電気容量は
$$C_{all}=C_1+C_2+ … +C_n$$
になります。
ノイズ除去
コンデンサはノイズ除去の役割も果たします。
下の図を見てください。交流電流をコンデンサ側に流すことで直流成分を右に流しています。
物理ではあまり出てきませんが、電子回路では非常に重要です。
電子回路として使われる例
コンデンサはどのような場所に使われるのでしょうか?
使われる場所はたいてい電気・電子回路です。例として
- 放電回路
- 平滑回路(交流を直流にする)
- カップリング(直流成分を通さず交流成分のみを通す)
などがあげられます。
コンデンサーの種類
コンデンサといってもたくさん種類があります。
まずは
- 可変コンデンサ
- 固定コンデンサ
の2つに分けられます。
さらに固定コンデンサは極性がある有極コンデンサと極性がない無極性コンデンサに分けられます。
無極性コンデンサの例
- セラミックコンデンサ
- フィルムコンデンサ
有極性コンデンサの例
- 電解コンデンサー
- アルミ電解コンデンサー
- タンタル電解コンデンサ
- 電気二重層コンデンサ
以下で簡単に説明します。
可変コンデンサ
可変コンデンサは電気容量が変えられるコンデンサがあります。
ただし容量が大きい可変コンデンサを作るのは難しいみたいです。
種類が少ないので説明は以上です。以下全て固定コンデンサです
有極コンデンサ
極性(電流が流れる向き)を気にしなければいけないコンデンサを有極コンデンサといいます。
電気を流す向きを間違えると壊れます。実際に見たことはありませんが、ものすごく電気容量が大きいものは爆発するそうです。
有極コンデンサには電解コンデンサ、電気二重層コンデンサや、アルミ電解コンデンサなどがあります。
電解コンデンサ
金属板の間に電解質を使っています。大きな容量が得られることが特徴です。
電解コンデンサにの表面には静電容量値と定格電圧が書かれています。
静電容量はどのくらい電気をためられるかを表す量で、定格電圧は電圧にどのくらい耐えれれるかを示す値です。
無極性コンデンサ
無極性コンデンサは交流回路でも使えます。
無極性コンデンサはセラミックコンデンサとフィルムコンデンサが主流です。
セラミックコンデンサ
電極の間にセラミックを使用したものです。誘電率が高く、さらに小型で熱に強いですし、高周波の回路にも使えます。(これを周波数特性が良い)
セラミックとは陶磁器、ガラスやセメントなどを指します。いろいろなものを指しすぎて何がセラミックなのか私はよくわからなくなっています。
フィルムコンデンサ
誘電体にプラスチックフィルムを使っているものをフィルムコンデンサといいます。
温度による容量の変化が小さいのが特徴です。
ここで使用するフィルムとはPET(ポリエチレンテレフタレート)とかPP(ポリプロピレン)などを指します。
コンデンサの読み方
第一・第二数字…数値
第三数字10をかける回数
単位はpF(ピコファラド)でこれは10のマイナス12乗を意味します。
最後に書かれているアルファベットが J 5%以内 K:10%以内 M:20%以内
例)105でしたら\(10^-12×10\)(第1,2数字)×\(10^4\)\(第三数字\)
まとめ
今回はコンデンサについて学びました。
電荷をためられる、さらにノイズ除去の役に立っています。
しっかりと覚えましょう!