今回は半導体について説明していきます。
入試にはあまり出ませんが電気・電子系の分野では非常に重要です。
導体と絶縁体と半導体
導体と絶縁体という言葉を聞いたことがありますか?
簡単に説明しますと導体は電気をよく通す物体で金属などが例に挙げられます。
一方絶縁体は電気をほぼ通さない物体でガラスなどが例として挙げられます。
では半導体とは一体何なのでしょうか?
半導体は少しだけ電気を通す…というわけ考え方もありますが、条件によって電気を通す場合もあれば通さなくもなる物体のことです。
半導体は身近な電子機器のほとんどに使われています。
スマホ、パソコン、冷蔵庫、エアコン…
ありとあらゆる家電に使われいます。
家電だけではありません。車などの乗り物やセンサ、半導体レーザーなんていうものもあります。
シリコン
半導体を作る際にウエハー(基板みたいなもの)にシリコンが良く使われます。
シリコンは不純物を限りなく少なくすることができるうえ、手に入りやすいのでよく使われます。
シリコン(ケイ素)は原子番号14で、最外殻電子を4つもちます。
つまり、シリコンは手を4つもっていることになるのでシリコンどうしを無限につなげることができます。
そんな特徴を持つシリコンを主人公にして半導体の説明の続きを行います。
真性半導体
真性半導体はシリコンなどの4族の元素のみからなる半導体のことで、電気をほどんど通しません。
P型とN型
N型半導体
トランジスタやダイオードの説明に必要ですのでここでP型半導体とN型半導体について説明します。
N型半導体はシリコンなどの4族の元素にリンなどの5族の元素を少しだけ入れると出来上がります。
シリコンの最外殻電子はいくつでしょうか?
4つですね。
ではリン(原子番号15)の最外殻電子はいくつでしょうか?
5つですね。
最外殻電子が4つのシリコンの中に少しだけリンを入れたらどうなるでしょうか?
自由に動ける電子が少しだけ存在することになります。
ということは電気を少しだけ流せるというのが
P型半導体
これはN型半導体の逆です。
シリコンなどの4族の元素にボロン(ホウ素)などの3族の元素を少しだけ入れることで出来上がります。
ダイオード
整流作用を持つ素子です。
電流を一方方向にしか流さなかったり、電圧を一定にしたりします。
ダイオードはP型半導体とN型半導体の2つを組み合わせたものが一般的です。
P型とN型半導体が接している部分をpn結合といいます。
N型からP型に電流を流そうとしても流れません。接合部分に空乏層と呼ばれる、キャリアが存在しない場所ができてしまうからです。
そしてこの接続の方法を逆方向といいます。
(正しくは高い電圧を印加すれば電流は流れます。)
では逆はどうでしょうか?
P型からN型には電流が流れるます。この向きを順方向といいます。
このように片側からは電流が流れるが、逆側からは流れないことを整流作用といいます。
トランジスタ
このトランジスタは生活において必須ですが、教科書や入試ではあまり出ません…。
先ほど説明したP型半導体とN型半導体をくっつけたもので、並び順が
「PNP」のものをPNP型トランジスタといいます。
逆に並びがNPNになっているものは
をNPN型トランジスタといいます。
それぞれの半導体にはエミッタ、ベース、コレクタという名前が付いています。
まとめ
今回は半導体を中心に見ていきました。
工学系の学部を目指す人は是非マスターしましょう!