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高校電磁気学

4-2電場と電位

投稿日:2020年7月12日 更新日:

 

ここでは電場と電位について扱います。

紛らわしい用語が増え、似たような数式が多く存在します。

 

 

用語集

しっかり覚えましょう!

 

用語 説明 点電荷が作る式
クーロンの法則 2つの点電荷に働く静電気力はそれぞれの電気量の積に比例し、点電荷の距離の二乗に反比例する \(F=k_0\frac{qQ}{r^2}\)
電場 電荷が空間に及ぼす力 \(F=k_0\frac{q}{r^2}\)
ガウスの法則 任意の閉曲面を貫く電気力戦の本数 \(N\) は、閉曲面中にある電荷の総和 \(Q\)に比例する \(N=4\pi k_0Q\)
電位 電荷が持つ静電気力によるエネルギー \(V=k_0\frac{q}{r}\)
電位差 2つの場所の電位の差のこと \(V_{AB}=V_B-V_A\)

 

 

 

クーロンの法則

 

まずはクーロンの法則について学びましょう。

クーロンの法則とは「2つの点電荷(大きさが無視できる電荷)に働く静電気力は、それぞれの電気量の積に比例し、さらに点電荷の距離の二乗に反比例する」

というものです。式を出すとこんな感じです。

$$F=k_0\frac{qQ}{r^2}$$

ここで出てきた \(k_0\) は

$$k_0=\frac{1}{4\pi \epsilon_0}$$

で表されます。さらに、ここで出てきた「\(\epsilon_0\)」は「イプシロン・ゼロ」とよみ、真空の誘電率を意味します。

 

誘電率とは誘電分極の起こりやすさを表す値でその大きさは

$$\epsilon_0=8.854 187 8123(13)\times 10^{-12} F/m$$

です。

 

\(q , Q\)は点電荷がもつ電気量で、単位はクーロン、分母にある \(r\) は2つの点電荷間の距離です。

 

 

力はベクトルであるので向きを考えましょう。

2つの点電荷の符号が同じであった場合、お互いが反発しあい、斥力(せきりょく)が働きます。

一方2つの点電荷の符号が異なった場合、お互いが引き寄せあり、引力が働きます。

 

 

電場とは

静電気力と電場の関係

 

電荷 \(q\) が空間に存在するとその周囲に電場 \(E\) が生じます

そこに電荷 \(Q\) を置くと、電荷は電場から静電気力を受けます。

 

この静電気力Fは電場の強さに比例します。ということで

$$F=qE$$

単位を書くと「静電気力 \(F\)[N] = 電荷 \(q\)[C]×電場 \(E\)[N/C]」です。

 

点電荷が作る電場は以下の式で表されます。

$$E=k_0\frac{q}{r^2}$$

 

この電場には向きがあります。それは(のちに説明する)電位の高い方から低い方へ向かう向きになります。

クーロンの法則と一緒に覚えましょう!

 

ガウスの法則

任意の閉曲面(閉じた曲面)を貫く電気力戦の本数 \(N\) は、閉曲面中にある電荷の総和を \(Q\) とするとき

$$N=4\pi k_o Q$$

になります。これをガウスの法則といいます。詳しくは大学で学ぶので楽しみにしてください。

 

 

電位とは

電位

電荷が持つ静電気力による位置エネルギーを電位 \(V\)[V]と呼びます。

静電気力による位置エネルギーUを用いると、電位 \(V\)[V]は

$$U=qV$$

で表されます。

 

電位差とはその名の通り2つの場所の電位の差を表します。つまり

$$V_{AB}=V_A-V_B$$

です。さらにややこしいことに電位差は「電圧」ともよばれます

この電圧という用語は電池に使われていますね。

 

点電荷の周りの電位

点電荷の周りの電位は無限遠を基準(0V)とすると

$$V=k_0\frac{q}{r}$$

で表されます。

 

 

まとめ

 

ややこしくなってきたので表にしてまとめましょう。今回はすべて点電荷が作る○○について学びました。

静電気力(クーロンの法則) \(F=k_0\frac{qQ}{r^2}\)

電場 \(E=k_0\frac{q}{r^2}\)

電位 \(V=k_0\frac{qQ}{r}\)

よって

1.電場と電位の関係は

$$k_0\frac{q}{r}=r\times k_0\frac{q}{r^2}$$

よって

$$V=Ed$$

(今まで2点間の距離を r で表していましたが、慣習的に d で表しました。)

 

2.静電気力と電場の関係

$$k_0\frac{qQ}{r^2}=Q\times k_0\frac{q}{r^2}$$

よって

$$F=qE$$

 

しっかり区別して覚えましょう!

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